Microsoftが欧州地域で表示していた「使用したいブラウザーを選択する画面」の提供が、欧州委員会と合意していた5年が経過したことで終了した。
「ブラウザー選択画面」のイメージ(「INTERNET Watch」2010年2月22日付記事より)
 これは、Microsoftのサポートページがアップデートされたことで明らかになったものだ。同ページには「Microsoftは2009年12月に欧州委員会によって発効された決定に基づき『Browser Choice』アップデートを提供していた。その決定によって課された義務の期限が切れたため、『Browser Choice』アップデートは、今後、新規ユーザーに配信されない」とあり、システム管理者にブラウザー選択画面を表示しないようにする方法について説明している。
 同時に、この問題について説明する「Browser Choice」のウェブサイトも閉鎖されている。
閉鎖した「Browser Choice」のウェブサイト
 この問題は、2009年ごろ、Microsoftの競合企業がInternet Explorer(IE)の優位はWindowsとのバンドルが原因だと訴えたため、欧州委員会が独禁法に基づいてMicrosoftにブラウザー選択画面を表示するように要求していたもの。当時は約7割のユーザーがIEを使用していた経緯がある。
 その後に表示が開始されたブラウザー選択画面には、Google Chrome、Firefox、Opera、Safari、IEなど合計10種類のブラウザーが表示され、ユーザーが自由に選択してダウンロードできるようになっていた。
 この画面は欧州地域で新しくWindows XP/Vista/7をインストールまたは利用するユーザーに対してのみ表示されていた。
 しかし2013年に、Microsoftが14カ月にわたり、ブラウザー選択画面を誤って表示していなかったことが明らかになり、5億6100万ユーロの罰金を支払うという事態もあった。
(青木 大我 [email protected]

関連リンク Microsoftの該当サポートページ(英文)http://support2.microsoft.com/kb/2019411/en-us?sd=rss&spid=14019 閉鎖したBrowserChoiceウェブサイト(英文)http://www.browserchoice.eu/BrowserChoice/browserchoice_en.htm Microsoftによる2010年2月の声明文(英文)http://blogs.microsoft.com/on-the-issues/2010/02/19/the-browser-choice-screen-for-europe-what-to-expect-when-to-expect-it/ Microsoftへの罰金に関する欧州委員会による2013年のプレスリリース(英文)http://europa.eu/rapid/press-release_IP-13-196_en.htm

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投稿者 Akibano

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