株式会社ベネッセホールディングスのシンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」が9日、「中高生のICT利用実態調査」の結果を公表した。今年2~3月、全国28の中学校・高校に通う中学1~3年生3203人、高校1・2年生6265人を対象に実施したもの。
インターネットは、中学生の87.3%、高校生の96.9%が利用していると回答。メール、LINEなどのチャット、Twitter、SNSで週1回以上コミュニケーションを取っている人は、中学生の64.8%、高校生の92.1%に上る。
インターネットやメールをする時に使用するデバイス(複数回答)は、中学1・2年生ではPCの利用率が5割台で一番高いが、中学3年生になるとスマートフォンがPCとほぼ同程度となり、高校1・2年生では逆転。スマートフォンが8割を超える。また、中学生がインターネットに接続するデバイスとしては、携帯音楽プレーヤー、ゲーム機なども2~3割程度利用されているが、高校生になると、スマートフォン以外のデバイスの利用率がPCも含めて急激に下がる傾向にある。
インターネットにアクセスする際のデバイス
「ニュースなど社会のできごとに関する情報」の入手経路(複数回答)は、テレビが中学生で90.9%、高校生で86.0%と、ともに最多。中学生では、次いで家族との会話(46.5%)、新聞(40.0%)、ポータルサイトの運営するニュースサイト(23.4%)の順。高校生では、テレビの次にTwitter(39.6%)が入り、以下、家族との会話(35.1%)、新聞(30.4%)と続く。
いわゆる“まとめサイト”やインターネットの掲示板などは数%~十数%にとどまっているが、ニュースサイトやLINE、Twitter、SNSなども含めて「ネット経由」でくくれば、その割合は中学生で50.2%、高校生で68.3%に上る。
一方で、中学生のネット利用者のうちの38.9%が、インターネット上の情報について正しいかどうか確認する方法が分からないと回答。これが、高校生では49.2%に増える。
社会のできごとに関する情報の入手経路
インターネット上の情報について、正しさを確認する方法が分からないと回答した学生の割合
高校生の半数が、勉強時にネット上で友だちに質問
勉強しながらの行動については、中学生の53.5%、高校生の69.2%が音楽プレーヤーやスマートフォンで音楽を聞きながら勉強すると回答したほか、中学生の24.3%、高校生の37.5%が、メールやチャットに書き込みしながら勉強するという。
また、インターネットを利用した勉強方法については、中学生の26.4%、高校生の48.3%が、メールやチャットで友達に分からないところを質問すると回答したほか、高校生の27.2%が授業のノートや定期テストの過去問題を友達と交換すると回答した。
学習時のながら行動
勉強する際のインターネットの利用方法
(山川 晶之)
関連リンク プレスリリース(PDF)http://blog.benesse.ne.jp/bh/ja/news/m/2014/12/09/docs/20141209release_1.pdf
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