Microsoft 365はWindows 10のライセンスやOffice 365が提供されるだけでなく、ユーザーが利用するデバイスを管理・制御するための機能も組み込まれている。これを利用すれば、Officeの各アプリで作成したファイルを自動的に暗号化するなど、さまざまな設定をリモートから行える。今回は、これらの機能の使い方を見ていこう。 「Microsoft 365徹底解説」記事一覧Windows 10がOffice付きで月額2180円の「Microsoft 365」って何だ?Windows 7 ProをMicrosoft 365でWindows 10 BusinessへアップグレードWindows 10を「リモート削除」、M365のデバイス管理機能Microsoft 365の「リモート削除」はiPhoneも、さまざまな業務端末を管理可能「Microsoft Intune」でiPhoneにアプリを自動配信Azure ADのシングルサインオンでBoxへすばやくアクセス新型コロナ対策に使えるテンプレートをMicrosoftが無償提供「Office 365 Threat Protection」でセキュリティを強化在宅勤務で使えるMicrosoft 365の「シフト」と「Microsoft Planner」在宅勤務時の強い味方! Microsoft Teamsのウェブ会議機能アドオンを利用してMicrosoft Teamsのウェブ会議に電話で参加Azure ADの多要素認証を活用してセキュリティを強化在宅勤務を機に、Win7サポート終了を解決!「Microsoft 365」活用まとめ#series-contents .current-page { font-weight: bold; }
ポリシーを作成してPCを制御できる
Microsoft 365のポータルサイトに管理者アカウントでサインインし、「Microsoft 365管理センター」にアクセスすると、左にある項目の1つとして「デバイス」が表示される。このメニューでは、アプリケーションやデバイスに関するポリシーを作成したり、ユーザーが利用するデバイスの確認などが可能だ。
ここで作成できるポリシーの種類は、Android、iOS、Windows 10の各アプリケーション管理、そしてデバイスの構成の4種類となっている。ポリシーの種類として「Windows 10のアプリケーション管理」を選ぶと、作業ファイルの暗号化やファイルの保存先の制限、暗号化するファイルの指定などが行える。
ポリシーの追加画面で「Windows 10のアプリケーション管理」を選ぶと、作業ファイルの暗号化やコピー先の制限、対象アプリケーションの指定などを指定できる
ポリシーの種類として「Windows 10デバイスの構成」を選ぶと、各種セキュリティ機能のオン/オフを切り替えられる
なお、このポリシーの設定では「デバイスの種類」として「個人」と「会社所有」のいずれかを選択することが可能だ。「個人」は従業員が個人として所有しているPC、「会社所有」は従業員に対して会社から貸与しているPCであり、それぞれに応じてポリシーを切り替えることができる。
ポリシーの種類に「Windows 10デバイスの構成」を選択すると、セキュリティ保護に関する項目を細かく指定できるほか、PCのアイドル時に画面をオフにするまでの時間を指定可能となっている。
Windows 10のアプリケーション管理と、Windows 10デバイスの構成のいずれも、「これらの設定の該当ユーザー」として、ポリシーを適用するユーザーのグループを指定できる。PCの用途に応じてグループを作成し、それぞれのグループごとに異なるポリシーを割り当てたい、といった場面で使えるだろう。
ポリシーの割り当てに利用するグループを作成する際は、グループの種類として「セキュリティ」を選択する
あらかじめグループの管理画面でメンバーを追加しておき、ポリシーの追加画面で割り当てたいグループを指定する
リモートでのデータ削除もサポート
Microsoft 365へ個人と会社所有のどちらで登録するかは、Windows 10へのMicrosoft 365アカウントの追加方法で制御できる。
「職場または学校アカウントのセットアップ」画面では、そのままメールアドレスを入力してセットアップを行えば個人のデバイスとして、「このデバイスをAzure Active Directoryに参加させる」を選ぶと、会社所有のデバイスとして、登録ができる
会社所有として登録する場合は、Windows 10の「設定」-「アカウント」で「職場または学校にアクセスする」を選び、「接続」をクリックした後で「このデバイスをAzure Active Directoryに参加させる」を選ぶ。この後、Microsoft 365のアカウント情報を登録すれば、そのデバイスは会社所有として登録が行われる。
一方、個人として登録する場合には「職場または学校アカウントのセットアップ」画面から、そのままアカウント情報を入力すればいい。
会社所有のデバイスとして登録したデバイスの一覧が表示される。一覧からデバイスをクリックすれば、利用しているユーザーやデバイスの種類などを確認できるほか、「出荷時の設定にリセット」や「会社のデータの削除」などの操作が行える
会社所有として登録したPCは、Microsoft 365管理センターの「デバイス」にある「管理」から確認できる。リストからいずれかのPCをクリックすると、そのデバイスを利用しているユーザーのアカウントやデバイスの種類、状態、OSのバージョンなどが確認できる。
この画面にある「出荷時の設定にリセット」をクリックすると、デバイスを購入したときの元の設定へとデバイスを戻せる。また「会社のデータの削除」をクリックすれば、会社のデータを削除することが可能だ。デバイスが第三者の手に渡り、情報が漏えいする可能性があるといった場合に利用できるだろう。
Microsoft 365管理センターのメニューにある、「Microsoft Endpoint Manager admin center」にアクセスすれば、デバイスに関する詳細な情報を取得できる。Microsoft Endpoint Manager admin centerのメニューから、「すべてのサービス」、あるいは「お気に入り」から「デバイス」を選択し、さらに「すべてのデバイス」をクリックすれば、会社所有のデバイスをすべて表示できる。その後、いずれかのデバイスを選べば、ハードウェアの詳細やインストールされているアプリなどが確認できる。
「Microsoft Endpoint Manager admin center」では、デバイスのより詳細な情報を確認できる
インストールされているアプリの一覧をチェックすることも可能だ
このMicrosoft Endpoint Manager admin centerは、Microsoft 365に組み込まれている「Intune」の機能を制御するもので、ほかにもデバイス管理のための数多くの仕組みがある。それらについても、今後紹介していきたい。 「Windows 7サポート終了! 「どうしたらいい?」を解決!」記事一覧Windows 7が使える期限はいつ?そうは言っても、Windows 7のままで大丈夫?サポートの種類がよく分からないWindows 7のサポートを2023年まで延ばせる?Windows 10でもサポートは切れるの?Windows 8.1に移行するのはダメなの?アップグレードか買い換えか?いつ、どうやって?Windows 7で使っていたアプリや周辺機器は?Internet Explorerはそのまま使える?古い環境からどうやってデータを移行する?MicrosoftアカウントなしでWindows 10は使えない?Windows 10なら市販のウイルス対策ソフトは不要?大量のWindows 7 PCを入れ替えは会社への負担大……Windows 10のメディアってどこから入手すればいいの?Windows 7 32bitからWindows 10 64bitへアップグレードできる?前に無料アップグレードしたPCをもう一度Windows 10したいWindows 7の仮想デスクトップに移行できる?慣れたWindows 7の操作を変えたくないWindows 7 Home PremiumからWindows 10 Proにできる?Windows 10へのアップグレード後にWindows 7へ戻せる?Windows 7のサポート終了メッセージを消すには?プレゼンのときの画面切り替えはどうする?空き容量不足でWindows 10にアップグレードできない?Windows 10で「iTunes」を使うには?PDFがウェブブラウザーで開くのはイヤコントロールパネルって、なくなった?Windows 7のあの機能どうなった?初期セットアップの個人用と組織用って?アップグレードしたらキーボードが英語入力に?Windows 10のバージョンと名前が一致しないスクリーンショットを撮りたい#series-contents .current-page { font-weight: bold; }【どうするWindows 10アップグレード】記事一覧迫る「Windows 7サポート終了」、そのとき起こる困りごととは?Windows 7から10への“おトク”な移行をチャートで診断!Windows 10にするなら、ついでにSSDへの移行で幸せに外付けHDD不要! 無料クラウドを活用してWindows 10へOfficeなどのアプリもOSと同時に最新版へ移行しようWindows 10標準のセキュリティ機能だけで十分に安全Windows 10ならサポート切れなし! 使い続けても安心【PR】「ASUSのPC」がビジネス向けに本格参入、OSがPro!保証が長い!【ゲーマーのためのWindows 10移行講座】【コンソールゲーマーのためのWindows 10入門講座】【PCだけでできることって? ゲーマーのためのWindows 10移行講座】Windows 7、2023年まで使い続けるにはどうすればいい?Windows 7の最新環境、今作ってみたら大変だった!9年前のPC「VAIO P」をWindows 10にアップグレードしたらどうなる?【最高のゲーミング環境はPCにあり!ゲーマーのためのWindows 10移行講座】「サポートが切れたWindows 7」は今後どうなる? 「Windows XPで起きたこと」から考えてみた#series-contents .current-page { font-weight: bold; }「サポート終了カウントダウン(Office 2010編)」記事一覧サポート期限切れのMicrosoft Officeを使い続けるべきではない理由Office 365とOffice 2019、似て非なる2つのOfficeプランによって大きく異なるOffice 365法人向けOffice 365が備える豊富な機能Office 365の「Microsoft Teams」は何がすごい!?動画で情報共有できる「Microsoft Stream」を活用独自ドメインで利用するOffice 365さまざまなグラフも作成可能! モバイル版Excelの機能をチェック外出先でのプレゼンで威力を発揮! モバイル版PowerPointをチェックOffice 365サブスクリプションで提供される共同編集の魅力本当にOfficeを買う必要はある? 無料で使えるOffice Onlineをチェック新機能をいち早く試せる「Office Insider」に参加してみようOffice 365にトラブルが発生! そのとき管理者は何をするべき!?Exchange Online+Outlookのスケジュール共有で働き方改革を実現#series-contents .current-page { font-weight: bold; }
川添 貴生
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