京都府警察本部と山科警察署は、5つの「リーチサイト」の一斉集中取締りを実施し、5つのサイトを運営する男性4名を5月8日までに逮捕した。一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が発表した。
リーチサイトとは、違法にアップロードされた著作権侵害コンテンツにユーザーを誘導するウェブサイトのこと。今回逮捕されたのは、リーチサイト「映画の無料動画で夢心地」を含む5サイトの運営に関わる40~59歳の男性4人(うち1人は2サイトを運営)。
「映画の無料動画で夢心地」トップページ(一部画像加工)。CODAのニュースより
「映画の無料動画で夢心地」は摘発されたサイトのうち最大のアクセスを集めており、SimilarWebのデータによると、2021年3月~2023年2月の月間平均アクセス数は200万に上る。2022年1月時点で少なくとも約2万点の洋画、邦画、劇場版アニメの動画が大量に紹介され、アダルト系を中心とした大量の広告が掲載されていて、ここから収益を得ていたと見られるという。
今回逮捕された運営者は、東映株式会社ほか6社が著作権を有する「劇場版 仮面ライダーリバイス」や、東宝株式会社ほか4社が著作権を有する「劇場版 呪術廻戦 0」などの動画データを海外サーバーにアップロードし、「映画の無料動画で夢心地」において、それらの動画データへのリンクを提供していたという。
CODAでは「リーチサイトはリンク集であり、違法アップロード自体は行っていないこと、またコンテンツの削除要請は違法アップロード元に連絡するよう記載することで責任がないことを説明しているサイトもあるが、ユーザーを違法コンテンツに誘導し、それによって広告収入を得ていることから、海賊版サイトと同等に悪質なものだと考えている」と説明。今後も、著作権の適正な保護と健全な正規流通の促進のために活動していくとしている。
2020年に著作権法改正によりリーチサイト規制がされて以来、CODAで把握している摘発事例の一覧。CODAのニュースより
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