MediaTekは1月19日(現地時間)、主要顧客や業界関係者を対象に、Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)に対応する新チップを用いたデモンストレーションを実施すると発表した。同社のWi-Fi 7 Filogicテクノロジーを利用し、デモを行うとしている。
Wi-Fi 7は、320MHz幅チャネルでの通信が利用可能で、4K直交振幅変調(QAM)テクノロジーに対応するとし、Wi-Fi 6と同数のアンテナで通信を行った場合、最大で2.4倍高速な通信ができるとしている。
そのほか、複数の帯域でデータの伝送を行うことで、帯域上に干渉や輻輳があってもシームレスな通信を実現するマルチリンクオペレーション(MLO)テクノロジーや、干渉の回避/緩和を強化するマルチユーザーリソースユニット(MRU)機能なども特徴となっている。
デモでは、Wi-Fi 7 FilogicテクノロジーがIEEE 802.11beで定義されている最高速度に達する様子や、MLOテクノロジーの紹介を行うとしている。実際に搭載された製品は2023年から順次発売となるとしている。
同社コーポレートバイスプレジデント兼インテリジェントコネクティビティ部門ジェネラルマネジャーのAlan Hsu氏はWi-Fi 7について「その登場は、超高帯域幅アプリケーションにとって、Wi-Fiが有線LANの代替となることを初めて示すことになる。MediaTekのWi-Fi 7テクノロジーは、家庭、オフィス、産業用ネットワークのバックボーンとなり、多くの人が同時参加するAR/VRアプリケーションからクラウドゲーム、4Kビデオ通話、8Kストリーミングなど、あらゆる用途にシームレスなコネクティビティを提供できる」と述べている。なお、MediaTekは、Wi-Fi 7規格に開発当初から関わっている企業の1つだという。
関連リンク MediaTek プレスリリース
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