Future Forumは、働き方に関するレポート「Future Forum Pulse」を発表した。同レポートでは、仕事の時間とスケジュールの柔軟性、オフィスとデジタルインフラ、柔軟な働き方は、働く母親や黒人のナレッジワーカーに大きな影響を与えるとしている。
 Future Forumは、Slackが立ち上げたコンソーシアム。デジタルファーストの新たな職場での働き方を支援している。今回の調査は、米国、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、英国のナレッジワーカー1万447人を対象に、4月26日~5月6日に行われた。
 Future Forum Pulseでは、1)勤務時間の柔軟性は、勤務場所よりも重要、2)オフィスの役割がある一方で、デジタルインフラが重要に、3)柔軟な働き方は、ワーキングマザーや黒人のナレッジワーカーにメリットが大きい――の3点を挙げている。
 まず、1)について。ナレッジワーカーにとって柔軟性は欠かせないが、柔軟性は大きく分けて時間と場所がある。このうち、ナレッジワーカーの93%が時間を、76%が場所の柔軟性を求めている。
 完全なリモートワークをしており、働く場所の柔軟性がある人は、ストレスの管理能力が58%、ワークライフバランスが45%、仕事満足度が30%高いという結果になった。
 スケジュールの柔軟性は、さらに生産性を向上させるという。Future Forum Pulseには、スケジュールの柔軟度によるスコアが掲載されている。項目は「集中しやすさ」「情報のアクセス」「生産性」「柔軟性」「帰属意識」「ストレスや不安の管理能力」「ワークライフバランス」「総合的な満足度」の8つ。それぞれ項目において、スケジュールの柔軟度が「あまり柔軟ではない」「ある程度柔軟」「完全に柔軟」な人に分けてスコアが付けられている。
 これによると、全ての項目において、スケジュールが完全に柔軟な人のスコアが高くなっている。特にストレスや不安の管理能力は、あまり柔軟ではない人と比べて圧倒的に高い。
「スケジュールの柔軟度による違い」
 2)については、80%の人が、オフィスは働く場所からコラボレーションやチームビルディングの場所へと変化していると考えているということだ。具体的には、オフィスは「同僚や顧客との連携」(32.9%)、「対面の会議」(19.9%)、「仲間意識の醸成」(25.2%)という場所に変わっているという。
 そのため、オフィスはコラボレーションやチームビルディングの場、デジタルチャンネルは仕事の場とはっきりと分けると、オフィスのコストが削減でき、その分をデジタルチャンネルに充てるべきだとしている。
 このようにデジタルチャンネルにコストをかけ、新たなデジタルインフラに投資した企業は、レガシーなシステムに頼る企業と比べて、生産性は54%、帰属意識は2倍以上、ストレスや不安の管理能力は5倍以上、高くなっている。
「企業テクノロジー採用度による違い」
 最後に、3)について。米国ではコロナ禍により、男性よりも女性の方が50万人も多く職を失っているという状態だ。自宅で働いても、スケジュールの融通が利かず離職も増えている。
 そのため子どものいる女性は子どものいる男性に比べて、先の8項目のうちワークライフバランスは38%、ストレス管理機能は50%、帰属意識は23%スコアが下がっている状態だ。
「子どものいる従業員の性別による違い」
 このような状況は柔軟な働き方が解決策になる可能性があるとしている。子どもがいる女性は、柔軟なスケジュールの最大のメリットとして「日中に自分や家族のことをよりうまくこなせるようになる」と答えている。
 また、黒人のナレッジワーカーの満足度も低くなっている。職場における人間関係、公平に扱われていないと感じているため、上司に正当に評価してもらう必要があると考えているという。
 しかし、黒人のナレッジワーカーはリモートワークにより、帰属意識が高まると答えた人が多く、白人のナレッジワーカーはその逆。また、柔軟な働き方を望む白人のナレッジワーカーが56%に対して、黒人のナレッジワーカーは68%だった。
一般企業でも利用が広がっているビジネスコミュニケーションツール「Slack」。Slack Technologiesの日本法人であるSlack Japanはこのツールのことを“ビジネスコラボレーションハブ”と表現しており、あらゆるコミュニケーションやツールを一元化するものと位置付けている。本連載「週刊Slack情報局」では、その新機能やアップデート内容、企業における導入事例、イベントレポートなど、Slackに関する情報をお届けする。

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投稿者 Akibano

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